日本からのお土産としてミャンマー人に人気があるのが、日本のキモノの生地だという。日本に来たミャンマー人は必ずといっていいほどキモノの生地をお土産にするらしい。もちろん、ロンジーに仕立てるためである。

ただし、日本人が考えるキモノの生地=絹の反物ではなくて、普通の幅120cmなどの綿の生地に、キモノっぽい模様がプリントされたものを欲しがるのだ。金色が入った、帯のような華やかな模様は特に人気だという。日本人にはあまり縁がないが、外国人には有名らしい。

日暮里の繊維街の店などが彼らの間で有名で、短期滞在のミャンマー人にまで口コミでひろがり、わざわざ買いに行くほど。そして、現地では正装用のロンジーとして仕立てられ、結婚式や晴れの機会に着用するという。

しかし、それでいいのか・・・?伝統文化を愛する者でなくても、一日本人として、そのようなニセモノっぽいものがキモノとして海外に出て、正装用になっているというのは、ちょっと複雑である。

「キモノ?、ああ、模様は素敵だけど、あれは綿でしょ?私は正装用には絹を着る主義だから」と真面目に思われるのはかなり不本意である。

自分がお土産にキモノの布を選ぶ場合には、やはり絹の反物を選ぶのだが、それなりのお値段なので、やはり大切な人にしか渡せない。しかも、一生懸命説明しても、なかなか反応は芳しくない。

悲しいのは、短期の旅行に来た人ではなく、日本に何年も留学し、日本文化を学んだ人でも、なかなか理解してくれないときだ。

ある国固有の文化が、安易な流行となって輸出されることは多い。仏壇がヨーロッパのアンティーク愛好家によって靴箱にされていたり、仏頭がバスルームのインテリアになっていたり・・・。知らないことは斬新なアイディアの源ともなり得るが、宗教の違いの問題のように、感情の摩擦を産むこともあり得る。日本のコマーシャルに登場するコメディ調の仏像に反感を抱くミャンマー人が多いように。

文化が違うのだから仕方がない、といつまでも言っていていいのだろうか。国際化が進んできたからこそ、そろそろお互いの文化を正しく伝える努力や、正しく理解した上で楽しませてもらうという姿勢が必要なのではないだろうか。

たかがお土産の布から、いろいろ考えさせられる。

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