海外で日本人が死傷など、事件に巻き込まれるニュースを耳にすると、他人事とは思えません。
私も研究や仕事などでよく海外を訪れ、幸いに盗難をふくめ、海外で犯罪被害に遭ったことは一度もありませんが、友人知人の中には鞄を切られたり、薬物を使ったこん睡強盗の被害にあったりした人もいます。

日本人女性は小柄で簡単にやりこめる印象があるといわれたことがあります。また、複数だと気が緩むもので、団体旅行で日本語で話している中高年の人や、国際交流に関心があり現地の人とのコミュニケーションを求める若者が不意を突かれているのをよく見聞きしました。

旅行者が多い国などでこういった事件が起こると、ニュースの中の解説員は必ず親日国なのに・・・というような発言が出てきますが、海外旅行者が襲われるといった問題に親日か、非親日かというのはあまり関係ないと思います。どの国にも残念ながら犯罪を犯す人がいるものです。特にイスラム圏では女性は自覚している以上に注目を集めやすいものですし、偶然見てはいけない場面に通りかかってしまったりすることもあります。

私も、遺跡を訪れることが多かったので、廃墟の裏側にまわると、先方の草むらの中から急に男達が立ち上がって威嚇されたり、だれもいないように見えた狭い階段で急に男に声をかけられて慌てたり、ひやりとした経験はいくどかあります。観光地でも少し裏に回ると注射器が落ちていたりするものです。少年たちが追いかけてきて石を投げられたこともありますし、一本裏道を通ったらうつろな人が道端にたむろしているエリアだったり、アフガニスタンでは、地雷の撤去されていないエリアに知らないうちに入ってしまったことも。

次第に、危険を感じる嗅覚のようなものが発達してくるものです。もし今危険な状況になったらどんな手段をとれるか・・・?ということを念頭におけば、おのずと行くべき道は見えてきます。だからこその自己責任なのですが、犯罪に巻き込まれると、傷つくのは自分ばかりでなく、必然的に多くの人を巻き込むことになります。

状況を正しくとらえて的確な判断力を養うことこそ、自立した人生や、真の国際交流に必要な力だと思います。

スポンサー