ケリー・マクゴニガルの『スタンフォードの自分を変える教室』(大和書房)に面白いことがかいてありました。

「現代生活は自制心を要することばかりですから、意志力などかんたんに使い果たしてしまう(P.94)」というものです。意志力は筋肉と似ているとのこと。自制心を働かせると脳は大変なエネルギーを要するため、蓄えられていた一定の力を使いすぎると、使い果たしてしまうのだそうです。

そう考えると、ミャンマーの田舎でのびのび過ごしすのと比べ、日本で生活すると、なぜ普通の日常をこなしているだけでも疲れ果ててしまうのかよくわかります。ものがあふれた日本では、気を散らす様々な環境要素や誘惑から身を守るだけでも大変なエネルギーを消費しているのでしょう。

もう一つ、「限界を感じるのは脳にだまされているだけ(p.115−)」というのも面白いことです。脳の中の慎重なモニターが、極度の疲労を防ごうとして、負担がかかりすぎる前にぺースを落とすように指示をだすのだそうです。
これも、とても頷けます。私も、年とともに脳がブレーキをかけるタイミングが早くなっているのを感じていました。

先日甲状腺ホルモンの血液検査をしたときのことです。マーカーとなる3種類のホルモンのうち、甲状腺からのホルモン2種類は正常値でしたが、脳からのホルモンだけが異常値でした。お医者様いわく、「脳が甲状腺ホルモンが多すぎると感じている状態」なのだそう。脳が事実を無視して、勝手にものを判断して守りに入っているのではないかと思いました。

心と体のバランスにとって、脳の働きがいかに大きいかがよくわかります。脳に悪影響を与えるものとしてストレスや睡眠不足がよく言われますが、私の場合思い当たるストレスもありませんし、睡眠は恥ずかしいほど長時間とれています・・・。むしろ、脳が暇をもてあましているのかもしれません。以前は仕事でもっと頭をつかっていたので、脳にはとても負荷がかかっていたはずです。それが産後いきなり主婦になたったために、脳の働く場所が急変しました。育児というのはより本能に近い部分の脳を使っている気がします。同時に、理論的な考えを行う脳のニューロンが勢いよく減っていくのを感じました。

日常的にも考える忙しさがなくなった脳は、代わりに考えるネタ探しを始め、心や体の不調を招く様々な暴走行為を勝手に進めるようになったのではないか、とさえ思えます。つまり、主婦が育児ノイローゼになったり、つまらないことでくよくよするようになるのは、脳の働きのバランスが悪いためなのではないかと思うのです。

脳の暴走を防いで、意志力を磨くためには、適度に脳に負荷をかけているほうがよいのかもしれません。

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