MYITTAの工房

日々のくらしや手作り、ときどきミャンマー

February 2014

とあるニュース記事から「ハーバードを出たのに主婦をしている女性」のブログ=harvardhomemaker.comに出会いました。

「Living & Loving the Domestic Life」というサブタイトルのとおり、心理学の専門を活かした(?)日々を楽しくする育児や生活の工夫がたくさん書かれていて、とても面白いのです。

書いているのはアクティブで様々な才能に恵まれた女性ですが、4人の子育ては、本当に大変なことでしょう。でも実用的なことばかりでなく、いかに子供をポジティブに導き、大切なことを忘れずに家族の暮らしを楽しむかが書かれています。

しかも、日本でよく見かけるハウスキーピング術とちがって、ある意味アバウトでポイントを押さえればOK!な姿勢に癒されます。片付けも、できない家族に不満がでるような方法ではなく、親子楽しく一緒に生活術ばかりか人間力までもが身につけられるような視点が多いのです。体裁の整った生活するためではなくて、大切なことに時間をかけるために無駄な手間暇は省きましょうということなのだと思います。

ハーバードを出ているのに「専業主婦」であることに対する異論の声に対しては、自分と家族にとって正しいと感じる道を選ぶことの重要性や、人生のステージに合わせて働き方や生き方を柔軟に考える自分を評価する姿勢に共感します。

私自身も、いったんは博士号を活かした仕事につきながら専業主婦になったことに対し、本当にそれで良いのかという思いが全くないわけではありませんが、主婦になった理由は彼女と同じものでした。でも人からその部分を突かれると、どうも申し訳ない気持ちになるのです。退職の際には周囲からは私の価値観が理解してもらえなかったり、昔の上司の方から再びお誘いをいただいた時は、辞退したあともしばらく夢に出てきましたし。。。。

このブログでは、彼女の歴史をすべてをポジティブに活かして考え、主婦業やママ業をも専門化するくらいの勢いに、とてもエネルギーをもらいます。知恵というものはどんな分野であっても活かすことができるのですよね。子供達にとっては、こんなママがいる家庭は最高でしょう。

英語のサイトですが、写真やグラフィックもアクティブで工夫されているので、タイトルと写真を見るだけでも楽しめます。もちろん、生き生きとした文は追いかけるのも楽しく、英語の勉強にも役立ちます!

世界的なバイオリン奏者の五嶋みどりさんが、昨年はミャンマーで子供達にバイオリンと触れ合うイベントを行ったこそうです。
http://www.gotomidori.com/japan/year_in_pics13.html

少女時代からの不屈のエピソードがアメリカの教科書にも載った天才バイオリニストとして有名な方ですが、自身のみどり教育財団などの活動を通して、世界の子供達に音楽を通じた教育を提供する活動でも有名です。

五嶋みどりさんのの音色はピュアなのに逞しくて哲学的で、私にとっては、学生時代に大学オケでバイオリンを始めたときからの憧れの方でした。特に低い音色の深さが好きで、とくに悩み事や考え事があるときに、みどりさんの音楽に耳を傾けることが多かったのです。

昨年私はメニエール病のせいで低い音の聴力が落ちてしまったのですが、五嶋みどりさんの生演奏を聞いていないことがとても心残りでした。アメリカに拠点をおき、演奏やチャリティ活動で世界を飛び回っているみどりさんは、日本での一般向けコンサートは多くはありません。昨年は、8月に岩手でのコンサートが唯一と知り、遠くはありましたが念願の生演奏を聞きに行くことができました。

とても小柄な体から溢れる優しくも力強い音楽に、久しぶりに心が動かされ、時がたつのを忘れて聞き入りました。私にとっての個人的な歴史が、彼女の音楽を聞いてきた日々の思い出と交わり、熱いものが込み上げたのでした。

音楽には本当に不思議な力があると思います。ミャンマーではまだ一般人がバイオリンのような西洋音楽や楽器と直接触れ合う機会は限られていますから、みどりさんの活動は、子供達に大きなインパクトを与えたことでしょう。

みどりさんがどれほど有名な演奏家であるのかを知らなくても、音楽のジャンルや国境を越えて、心のある生の音楽との出会いは、子供たちに感動の芽を開かせることになっただろうと思います。

そして、みどりさんのように、自分のもてる力を世界のために社会のために貢献している人を見ると、では自分には何ができるのだろうと考えさせられます。

そして、つい先日、五嶋みどりさんがソリストとして参加した「パウル・ヒンデミット作品集」が
第56回グラミー賞 最優秀クラシック・コンペンディアム賞を受賞しました!

歳を重ねるごとに人としての内面からの美しさが増してゆくみどりさんに、これからも目が離せません。

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