MYITTAの工房

日々のくらしや手作り、ときどきミャンマー

July 2009

ミャンマーのコットンの布を使って、ウェストポーチを作りました。

子連れのおでかけやウォーキング用に、ちょこっとだけ個性のあるウェストポーチをずっと探していたのですが、ぴんと来るデザインのものになかなか出合えずにいたのです。

市販のものは、ほとんどがスポーツ用のデザインばかりで、革などのちょっと洒落たものだと、かなり高価になってしまいます。

このウェストポーチはナチュラルな色合いと模様の布地で作りました。服装を選ばないので、ふだん使いに便利です。

口はマグネットホックで留めて折るだけなので、子共を抱っこしているときの開閉も楽ちんです。


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日本からのお土産としてミャンマー人に人気があるのが、日本のキモノの生地だという。日本に来たミャンマー人は必ずといっていいほどキモノの生地をお土産にするらしい。もちろん、ロンジーに仕立てるためである。

ただし、日本人が考えるキモノの生地=絹の反物ではなくて、普通の幅120cmなどの綿の生地に、キモノっぽい模様がプリントされたものを欲しがるのだ。金色が入った、帯のような華やかな模様は特に人気だという。日本人にはあまり縁がないが、外国人には有名らしい。

日暮里の繊維街の店などが彼らの間で有名で、短期滞在のミャンマー人にまで口コミでひろがり、わざわざ買いに行くほど。そして、現地では正装用のロンジーとして仕立てられ、結婚式や晴れの機会に着用するという。

しかし、それでいいのか・・・?伝統文化を愛する者でなくても、一日本人として、そのようなニセモノっぽいものがキモノとして海外に出て、正装用になっているというのは、ちょっと複雑である。

「キモノ?、ああ、模様は素敵だけど、あれは綿でしょ?私は正装用には絹を着る主義だから」と真面目に思われるのはかなり不本意である。

自分がお土産にキモノの布を選ぶ場合には、やはり絹の反物を選ぶのだが、それなりのお値段なので、やはり大切な人にしか渡せない。しかも、一生懸命説明しても、なかなか反応は芳しくない。

悲しいのは、短期の旅行に来た人ではなく、日本に何年も留学し、日本文化を学んだ人でも、なかなか理解してくれないときだ。

ある国固有の文化が、安易な流行となって輸出されることは多い。仏壇がヨーロッパのアンティーク愛好家によって靴箱にされていたり、仏頭がバスルームのインテリアになっていたり・・・。知らないことは斬新なアイディアの源ともなり得るが、宗教の違いの問題のように、感情の摩擦を産むこともあり得る。日本のコマーシャルに登場するコメディ調の仏像に反感を抱くミャンマー人が多いように。

文化が違うのだから仕方がない、といつまでも言っていていいのだろうか。国際化が進んできたからこそ、そろそろお互いの文化を正しく伝える努力や、正しく理解した上で楽しませてもらうという姿勢が必要なのではないだろうか。

たかがお土産の布から、いろいろ考えさせられる。

布・テキスタイル

--Textiles from Burma. Featuring the James Henry Green Collection., Edited by E.Dell and S. Dudley, Puppha Press, 2003

--Mantles of Merit: Chin Textiles from Myanmar, India and Bangladesh., David W. and Barbara G. Fraser, River Books, 2005

--'Court dress, politics and ethnicity in exile: 'traditional' Karenni clothing', Sandra Dudley, in Burma Art and Archaeology, The British Museum Press, 2002, pp. 133-142

--'Textiles and Costumes' by Virginia McKeen Di Crocco, in Burmese Design & Architecture, Periplus, 2000, pp.183-195

ミャンマー(ビルマ)の布にはいろいろな種類がある。

なかでも最も生活に欠かせないのは、毎日身につける服、とくに巻きスカートタイプの布、ロンジーである。

男性のものはパソー、女性用はタメインというその布の着方は、筒状に縫っただけの布を、お腹あたりできゅっと結ぶだけ。これが熟練していないとなかなか難しく、慣れたビルマ人でさえもよく結びなおしている。

最近では、女性用のロンジーはあらかじめダーツが入って立体的に縫いあげられ、3段階くらいにきつさを調節できるホックで簡単に留められるようにすることが多い。

女性の伝統的な服装は、上下共布でつくられたツーピース。お土産用などの例外を除いて、通常オーダーメイドで作られ、さまざまな色や模様を楽しむ。布は、スカート部分専用のもののほかに、上下のセットを作るための模様をあらかじめ考慮した配置で織られているものとがある。

普段着のロンジーの布はしっかりとした綿やウール製だが、晴れの機会には、シルクもまとう。

知人同士の気軽な手土産としても、このロンジーの布は重宝する。

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ミャンマーを歩いていると、街でもどこでも、人が通る道端などには、よく水瓶が置いてある。

中には飲み水とひしゃくが入れてあり、誰もが喉を潤すことができるように、その水瓶を置いている家屋の主人がいつも管理しているものだ。

旅人を思いやるこのような習慣は、中東や地中海沿岸でも見たことがある。

素焼きの瓶に入れられた水は、いつでもなぜか冷たくて、おいしい。

写真は、とある食堂で見かけた水瓶。真赤な蓋がとても美しかった。

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より深くミャンマー(ビルマ)芸術を知るための専門書を中心に紹介してゆきます。徐々に増やす予定です。

建築・遺跡

-- Historical Sites in Burma, Aung Thaw, Burma, Ministry of Union Cukture, 1978

-- Sprendour in Wood; The Buddhist Monsteries in Burma, Sylvia Fraser-Lu, Orchid Press, Bangkok, 2001

-- Burmese Design and Architecture, Johni Falconer, Elizabeth Moore, Daniel Kahrs, Alfred Birnbaum, Virginia McKeen Di Crocco, Joe Cummings, Luca Invernizzi Tettoni, Periplus Editions, 2000

--Burma Art and Archaeology, The British Museum Press, 2002 

-- 『ビルマ仏教遺跡』、伊東照司著、柏書房、2003

-- 『アジア・美の様式』、J.ボワスリエ著、石沢義良昭監訳、連合出版、1997年

-- 『南の国の古寺巡礼:アジア建築の歴史』、千原大五郎、NHKブックス、1986年

-- 『ビルマの仏塔』世界の聖域10、大野徹編著、講談社、1980年

ミャンマー(ビルマ)では、一般の建築の多くが木や竹などの天然素材を組んで造られてきた。

なかでも、寺院や仏塔には、高度な木造による建築技術が駆使されてきた。

そこには、木組みによる建造技術ばかりでなく、彫刻や壁画、漆塗り、塗金の技術などにも最高の技術が結集されている。木造の仏教建築は、まさに総合芸術である。

戦時中に多くが失われ、現在では18世紀頃からの建造物が残っているが、保存技術の問題もあり、残念ながらその数は減少してきている。



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ビルマ遺跡地図日本の約二倍の面積をもつミャンマーでは、国土のそこここに、多くの遺跡が残っている。その多くは仏教寺院であり、石やれんがで造られた建造物は長い歴史を生き抜いてきた。

古くは9世紀頃に由来する建造物もあり、もっとも有名な遺跡であるバガンには、多い時には数千もの仏塔や寺院などの仏教建築があったといわれ、その規模はきわめて大きい。

しかし、驚くべきことに、この国にはまだユネスコ世界遺産リストに指定された遺産が一つもない。その理由の一つには、この国の文化財の保存理念が、ユネスコが求めるいわゆる世界共通のスタンダードと一致しないことが挙げられる。

彼らにとって仏教寺院は、いまだに生きた心の拠り所である。したがって、過去の姿を保存することではなく、今の自分たちが祈りを捧げ功徳を積むために、たとえそこが貴重な遺跡であっても、人々が皆で金箔を貼ったり、壁を塗ったり、新しい仏塔を建立したりしている。

周辺のアジアの国々からの影響ばかりでなく、イギリス統治時代からの名残りもみられるミャンマー(ビルマ)は、多様な文化の香りをまとっている。

ミャンマー人は自国の民族文化に強い誇りをもち、古くからの伝統を日々の暮らしの中で守っているようだ。


とくに、国民の約90パーセントが敬虔な仏教徒であるこの国では、生活に息づく伝統の多くが仏教と密接にかかわっている。

一日の多くの時間を寺院での祈りに費やすミャンマー人の技術と意識は、見事な仏教建築を生み、仏伝のための彫刻、絵画を花開かせた。

静かに豊かな笑みをたたえる彼らの手仕事はまた、漆器や布に美を与えている。
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世界が狭くなったといわれる昨今でも、いまだ神秘の国ミャンマー(ビルマ)。その文化に目を向けてみると、伝統的な建造物や工芸など、見事な芸術遺産に恵まれています。

ここでは、そんなミャンマー芸術の中から、生活に生きる伝統美−とくに個人的に関心のある布と建築を中心に、その手仕事やデザインの魅力、ミャンマーの素材をつかったハンドメイド、さらに最近の関心事である日本語教育、言語教育などについて紹介してゆきたいと思います。
 

Myittaプロフィール: ミャンマー人の夫と娘の3人暮らし+犬一匹。かつて世界遺産の修復に関わる研究や仕事で20ヶ国以上を訪れる。目下の関心はミャンマーの伝統芸術と語学教育、心地よい空間作り。 著書に『バーミヤーン仏教石窟の建築構造およびその意匠と技法』明石書店(2011年)ほか

'MYITTA'とは、ビルマ語で「普遍的な愛」を意味します。
偶然にも、私とミャンマー人の主人の名前をあわせたときの頭文字であり、娘のビルマ語名でもあります。

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