エーヤワディー東岸の町ピイ近郊にあるピュー時代(4〜9世紀)の遺跡を訪れた際、予定外にエーヤワディ川を渡る機会に恵まれました。対岸にあるピュー時代にゆかりのあるパゴダを参拝することになったのです。

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考古学部の学生たちと合流し、20人くらいでにぎやかに川岸に降りると、チャーターしてあったモーターボートがこちらに近づいてきました。一瞬まさかあれ?と思うような、木製の小舟。北朝鮮の難民が日本海に流れ着いたときの木製の船を彷彿とさせる・・・。

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岸から船に向かって渡された幅15センチほどの木板を渡って船に乗り込んでみると、船底には水が入り込んでいて、若者が手桶でその水をかき出しています。搭載されているモーターエンジンは剥き出しで、小さいがやたらとウルサイ。もしもの場合の救命胴衣や浮輪など、もちろん搭載されていません。

大海に漕ぎだす難民のような心持ちで、いざ出発!壊れずに目的地に到達できますように!みんな、いつも使っているのだから、きっと大丈夫!

果たして、乗り心地はさほど悪くはありませんでした。そして昔教科書でイラワジ川という名で習った広大なこのエーヤワディー川を渡っているという実感は、感動ですらありました。流れはおだやかで、水しぶきは心地よく、景色も素晴らしい。渡るといっても川を上流に向かって数キロさかのぼるような位置に向かっていたため、30分と聞かされていた道のりは小一時間くらいのものでした。途中、対岸には竹やわらで編んだ小さな高床式住居が並ぶ漁師の村が見えたりしたほかは、行き交う船もほとんどないネイチャーワールド。

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やっと目的の船着き場に到着するも、もちろん護岸工事など何も施されていない砂浜状の岸に、例の幅15センチの板をかけて渡り下りたのでした。

パゴダ参拝もちょっと山を登る、と聞いていたのが、結構な山登り。誰も数えたことがないという膨大な階段を上ってのエクスカーションとなるのでした・・・(つづく)。
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